デッドエンドラプソディ

これは面白かった。

通り魔みたいな事件に巻き込まれ、幼い妹をかばって死んでしまった少年が主人公。
目の前で死んだ兄を取り戻そうと、十年の歳月をかけて妹は世界最強の魔法使いになり、本当に少年を蘇らせてしまった。
しかし自然の摂理に反する復活を危険視する教会から、エクソシストが派遣されて命を狙われることに。果たして少年の運命は……というようなお話。
文体は一見軽いんだけど、その実ストーリーは割と重めですね。

理不尽に対抗する為には理不尽しかない、と言う妹が怖いようでちょっと切ない。確かに妹は兄の為なら殺人をも厭わないくらいで、兄に対してのみは人当たり良いけど、他の人に対してはコミュニケーション不全だし、いろいろ歪んでしまってるのですよね。ただ、それは全て「兄の死」を認められなかった十年の歳月が作ったもの。
どうしても主人公としては、「自分がこうならなければ、妹はもっと普通の幸せを得られたのでは?」という気持ちがあるんですよね。だからこそ、妹を何とかしてあげたいと思ってる。ただ、悔やむだけではなく、ここからどうするかと考えられる主人公の前向きさが良いですし、そこで自虐にならず、「生きたい」と思う自分も肯定してるのが更に好感でした。なんだかんだ言ってもいいお兄ちゃんだと思いますよ。

しかしラストは割と衝撃。好きなキャラだったんですが、どうなるのか続きが大変気になります。

デッドエンドラプソディ (講談社ラノベ文庫)

著者/訳者:草薙 絡

出版社:講談社( 2012-02-02 )

定価:¥ 651

Amazon価格:¥ 651

文庫 ( 292 ページ )

ISBN-10 : 4063752178

ISBN-13 : 9784063752175