2007/01/11

神様のメモ帳

ポスト @ 2:03:07 | 小説,杉井光

一部で評判の「ニート探偵ストーリー」。後書きの「無職野郎Nチーム」が凄まじくアホらしくて面白いんだけど、本編は極めて真面目なお話でした。

自分の立ち位置も定まらないまま、ふわふわとしていた間に実は事件は進行していて、気がついたときには全て手遅れになっていたという話で、無力感と切なさに苛まれます。探偵に出来ることは結局事件が起きてからしかなく、隠されたものを暴くことだけ。被害者が望んでいないかもしれないことでも、自分自身を納得させるためにそれを知らずにはいられない。事件の解決を決意したナルミがアリスに依頼をするシーンや、行き詰ったナルミがヒロさん、少佐、テツ先輩らに助けを求めるシーンが印象的でした。

ビターな話ながらも、ラストは前向きで清々しさも感じます(希望も仄見えるところがまた良い)。面白かった。続き出るのかな。

ちなみにニート云々に関して言えば、ここの記述が物凄く核心突いている気がします。

「きらいじゃなくて、藤島くんは多分、自分が働いているところをうまく想像できないんだよ」

「あのね、勘違いしちゃったらごめんなんだけど、藤島くんとかお兄ちゃんのそれはたぶん働くのがきらいなのより重症なのです」

だってほら、人参とかセロリは子供の頃きらいでも、大人になったら食べれるようになったりするじゃない。でも、例えば長靴とかタイヤとか食べろって言われても困るでしょ」

僕も実際仕事に就くまで、「自分が仕事をしている姿」ってなかなか想像できなかったもんなあ。なんだか凄くわかる気がします。

神様のメモ帳 (電撃文庫)

  • 著者 : 杉井 光
  • 発売日 : 2007-01-06
  • 出版元 : メディアワークス
  • 評価 :
  • 価格 : ¥ 641

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