2008/04/18

断章のグリムⅦ 金の卵をうむめんどり

ポスト @ 0:26:07 | 小説,甲田学人

風乃存命時の雪乃たちのエピソードを含む、三篇の短篇からなるお話。

いつも通りにぞっとするような描写が冴えます(水面からゆらゆらと立ち上る腕の大群とか、実に気持ち悪い)が、個々のお話が短いこともあってか、陰惨さは比較的抑えめだと思います。

「よくばりな犬」は肉体的には一番痛いお話。……なんだけど、たぶん一番マシなお話なんじゃなかろうか。読後感が珍しく爽やかですね。

「アリとキリギリス」は一番「やられたー」と思いました。読者の勝手な思い込み(またミスリードを誘うあれ\が微妙で)がものの見事に裏切られました。思い描いていた構図がくるりと逆転する様は割と快感ですよね。

「金のたまごをうむめんどり」は、風乃存命時のエピソード。実は彼女なりに家族のことを愛していたというのは意外でした。まあ雪乃に取り憑いている風乃は、厳密には風乃ではなく、悪夢の一部が風乃の姿を取っているだけなんでしょうしね。

断章のグリム〈7〉金の卵をうむめんどり (電撃文庫)

  • 著者 : 甲田 学人
  • 発売日 : 2008-04-10
  • 出版元 : アスキーメディアワークス
  • 評価 :
  • 価格 : ¥ 578

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