2008/08/31

カッティング~Case Of Mio Reincarnation~

ポスト @ 21:06:26 | 小説,翅田大介

前の巻の衝撃的な引きからすると、穏やかな始まり方。でも、崩れ落ちるミオの描写から、読者としては何があったのか――そしてひいてはこの後に訪れるであろう破綻に――気づいてしまいます。

失った記憶とそれに伴う違和感に、ミオの手負いの獣のような必死さに、徐々にずれ始める二人。そこに聖から知らされる衝撃の事実。カズヤが打ちのめされて自暴自棄になっているシーンがつらいですね。今まで比較的どんなときでも冷静だった彼ですが、流石にダメージが大きかったみたい。でも、今までミオにかけてきた言葉を嘘にしないためにも、もう少ししっかりしてほしかった気がします(だってここでここまで自暴自棄になってしまうと、「所詮他人事だったからこそ言えた台詞」みたいに感じちゃうじゃないですか)。

その状態から抜け出すのも、他人の後押しがなければ駄目だったというのもちょっと残念ですねえ。いえ、彼女の凛々しさ、力強さ自体は好きなんですけど。

最後のシーンは、二人に降りかかった様々な苦難を思えば、祝福したい気持ちになれる良いエンドでした。結局このシリーズって、SF的設定を借りてはいるけれど、「自分はいったい何者なんだろう」という普通の高校生でも感じる問いかけへの回答なんですよね。

カッティング~Case of Mio Reincarnation~ (HJ文庫)

  • 著者 : 翅田 大介
  • 発売日 : 2008-09-01
  • 出版元 : ホビージャパン
  • 評価 :
  • 価格 : ¥ 670

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