2008/08/31

"文学少女"と神に臨む作家 下

ポスト @ 22:25:05 | 小説,野村美月

最終巻。大団円ではあるんですけど。間違いなく素晴らしい話だったんですけど。

でも。でもさー……(以下続きで)。

“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫)

  • 著者 : 野村 美月
  • 発売日 : 2008-08-30
  • 出版元 : エンターブレイン
  • 評価 :
  • 価格 : ¥ 651

ななせが不憫で不憫で……っ(涙)。

あんなにも一途に、心葉が全てという様子だったのに。それでも心葉くんは二人を天秤に乗せてしまう場面では必ず遠子先輩を選んでしまうんですね。多分、ななせも薄々気づいていたんだとは思うんですよ。心葉くんの中にある、遠子先輩の大きさに。ただそれでもいつかは心葉くんが心からななせを選んでくれるんじゃないかと、わずかな希望を捨てずに、一所懸命に近づこうとしていたんだと思うわけです。本当は脆くて壊れやすい子なのに、流人に襲われた時だって怖くて仕方なかったろうに。それでもこの手だけは放すものかと、心葉の手をぎゅっと握り続けていたんですよ。

でも、遠子先輩が危ないと聞いた瞬間には、心葉の心の中からななせのことは消し飛んじゃうんですね……。

卒業式の日、ななせと心葉の会話が、もう全て切なくてたまりませんでした。

結局心葉くんは、想いを物語という形にせずにはいられない人だったのでしょうね。最初からずっと(自覚はなかったのかもしれませんが)、遠子先輩の作家であるということを心地よく、嬉しく思っていたのでしょう。

エピローグはこれからの二人が幸せに過ごすであろうことを予感させる、綺麗な終わりでした(でもさ、やっぱななせがさー)。

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