2009/07/07
狼と香辛料Ⅸ 対立の町〈下〉
ポスト @ 0:56:01 | 小説,支倉凍砂
誰もが誰もを出し抜こうと画策する中、構図もわからぬままに使い走りとされてしまったロレンスは……という展開。
エーブの虚実織り交ぜた告白に、なんとも胸が詰まる想い。ありえないとわかりつつも、エーブと一緒に逃げる未来を妄想しました。彼女に「人を信じても良いんだ」と再び思わせる、最後の機会だったのではないかという気がしてならないんですよね。これで大金を手にした彼女は、今後もまた商人として金を稼ぎ、笑顔の裏で天秤を操るような日々を過ごすことになるのでしょうし、それは勿論彼女の望むところでもあったわけですが……。
一方で、ロレンスにふと漏らした言葉に、一片の真実が混じっていたのも確かだと思うのですよね。手酷く利用され、裏切られる日々に傷つき、何も信じないという道を選んだエーブ。もしも。もしもこのお人よしの商人と共に逃げる道があったのならば、もしかしたら、いつか、人を信じて笑うことができる未来があったのではないか……、そう考えちゃうんですよね。
- 著者 : 支倉 凍砂
- 発売日 : 2008-09-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 578
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