2009/10/07

双心のサヤ ―刀姫推参!―

ポスト @ 0:58:44 | 小説,鳥生浩司

前作がやたらめったら兄妹関係だらけだったので、今作もちょっとばかりそういう邪な期待をしたのですが、流石に今回はそんなことありませんでした。ということで、かつて一度現代生活の全てを忘れたことがある御曹司が、お付きのメイドとともに家を飛び出して生活していたら、何故かお家に対する戦国時代からの恨みを持った侍の精神が時空を超えて襲いかかってきて、それに対抗すべくご先祖様の精神がメイドさんに宿ってチャンバラするお話。……こうして改めて書くとカオスだなあ。

前作「想刻のペンデュラム」は文章が全くこなれていない印象を受けたのですが、今作はその辺は改善され、随分読みやすくなった印象。

ただサービス精神旺盛すぎたのかなんなのか、盛りだくさんにいろんな要素を盛り込み過ぎたような気がします。もうちょい、話を絞っても良かったんじゃないかなあ。メイドさんとの恋愛だけでも主軸にできるし、過去からの因縁だけでも主軸にできそう。

メイドの紗耶に関しては、最初に「あの人はただの主」と誰もいないところでつぶやくシーンがあったので、本当に主人公の片思いなのかと思ったら、単に自分に言い聞かせていただけだとあとでわかってちょっと残念。こういうので、本当に主人への義務感だけで付いてきてたら面白いなあと思ったのだけど。それで主人公はいかに「主人と召使」でない関係を築くか苦心するとか。

そんな勝手な期待もあったため、紗耶よりも途中から出てきた刀子の方がお気に入り。いいな、この歪み具合。主人公に心奪われていることは間違いないんだけど、その感情は、単なる恋愛感情ではなく、かといってただの執着ではない、不思議な関係ですよね。彼女の心が元に戻るとどうなるのかな。

明らかに黒幕が残っているので、続編前提なんだろうなあ。主人公の変貌もあるし、どうなるんだろ。

しかしタイトルはなんか「二心」みたいで信用ならん感じに見えちゃうんだけどなあ。

双心のサヤ-刀姫推参!- (HJ文庫)

  • 著者 : 鳥生 浩司
  • 発売日 : 2009-10-01
  • 出版元 : ホビージャパン
  • 評価 :
  • 価格 : ¥ 650

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