2009/12/29

ほうかごのロケッティア School escape velocity

ポスト @ 1:54:34 | 小説,大樹連司

目指せ秒速7.9km! 衛星軌道へロケットを飛ばせ!

元アイドルの転校生・久遠かぐやに、中学時代の恥ずかしい言動を盾に取られ、なし崩し的に協力することとなった主人公・貴人。現実逃避かはたまた本物か、携帯電話にとりついたという宇宙人を星空へ返す為の手段を探すことに。島の実業学校でロケットの真似事をして燻っていた三人組を焚き付け、始めたロケット発射実験。いつしか手段であったはずのロケットが、貴人の目的になっていき……というお話。

日々を与えられた目的だけの為に過ごしていた少年が、自分で成し遂げたいものを見つけるという青春物語であり、かぐやと貴人のラブストーリーであり、そして何と言っても、宇宙を目指す挑戦者の物語であります。

ロケットや宇宙に憧れない男の子はいません!(断言)

僕も小学生の時の将来の夢は「宇宙飛行士」でしたとも。宇宙飛行士の試験で一分間息を止められることという条件があるという噂(ちなみに確か「宇宙生活・スペースシャトルのひみつ」に書いてあったはず)を聞いては、一所懸命息を止める練習をしたものです。裸眼で視力がいくつか以上なきゃいけないとか、歯が健康でないといけないとか、そんな条件もあった気がするなあ。視力が低下して条件以下となり断念、という経緯があります。

――閑話休題。

とにもかくにもそういう「男の子の夢」を刺激してやまないんですよね。最初は小さな模型みたいなロケットから。せいぜい80メートルくらいしか飛ばなかったそのロケットを、金属製の胴体に代え、火薬を調合し、何度も飛ばしては改良を重ねていく様が素晴らしい。ところどころにロケットについての知識をフォローしながら、一段式から二段式へ。勿論、本当に学生が位置から衛星軌道へ投入できるロケットを作るのは難しいので、フィクションらしい御都合もあったりするのだけど、それでもなるべく丁寧に、彼らの努力を描いているのがとても好感が持てます。

お陰でクライマックスでは感動してしまいました。やっぱり「みんなで何かを成し遂げる」物語が大好きなんだよな。

エピローグを一気に数年後に持ってきたのも、上手く作用していると思います。全国ネットでのあの会話が洒落ていますね。非常に満足の一冊でした。

……しかし。あの部室、あんまりロケットものとは言えない「星空☆ぷらねっと」があるなら、「六ツ星きらり」があってもいいじゃんねえ。少なくとも手作りロケット飛ばしますよ?

ほうかごのロケッティア (ガガガ文庫)

  • 著者 : 大樹 連司
  • 発売日 : 2009-12-18
  • 出版元 : 小学館
  • 評価 :
  • 価格 : ¥ 630

六ツ星きらり

  • 発売日 : 2004-11-05
  • メーカー : チセ
  • 評価 :
  • 価格 :

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