カテゴリー : 小説,成田良悟
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2010/06/21
デュラララ!!×8
帝人、杏里、正臣の三人のすれ違いも相変わらずの八巻。
三人とも、お互いもうちょい喋れば、ここで起きる問題の半分くらいは片付くはずじゃないだろうか。心配をかけたくないとか、巻き込みたくないとかそういう気持ちから始まったすれ違いだけど、逆に心配をかけているし既に大幅に巻き込まれている状況なんだから、もはや何がここまで頑なに「解決してから」と言い続けているのかがよくわからなくなってきました。
特に帝人が危ない。笑顔のイラストが逆に怖さを増しています。何よりも、臨也を信頼してしまっているのが怖くて仕方ない。正臣が失敗をしたときの二の舞となりそうですよね。ただ正臣の時との違いは、周囲に色々な人が居ること。ただ今の帝人が周囲の言葉に耳を傾けなさそうで……。
臨也の企みは更に混迷を招くはずで、彼らの安寧はまだまだ遠そうです。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2010-06-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 620
2010/02/08
世界の中心、針山さん③
今回の針山さんは、あんまり「まとめエピソード」っぽいのがない構成でした。ま、短編集なんだからなくてもおかしくないんですけど。ただ成田さんだという時点で、そういう「一見無関係のエピソードが綺麗にくっついてモザイク絵を作り上げる」みたいなのを期待しがち。
一番気に入ったのは「工場長のドリームチェイス」。巨大ロボに乗りたい一心で、「ないなら作っちゃえ、そんでパイロットになっちゃえ」と、ただそれだけに生涯を費やしてきたお父さんのお話。もう少しでお披露目ってところで、突如少年アイドルにパイロットの座を奪い取られそうになり……という展開。さてはて、このお父さんが最終的にどうしたのかということはさておき、工場長のように、少年の夢を忘れぬ、大人げない大人になりたいですね(笑)。
特に工場長と、企業買収相手との会話が良いなあ。最後まで夢を貫いたお父さんに幸あれ。
そんでもって、なんだかんだいってもきっちり「この父にしてこの娘あり」に育ってる娘さんの将来が実に楽しみです。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2009-10-10
- 出版元 : アスキー・メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 620
デュラララ!!×7
短編集。
一巻の頃の話なんてちょっと忘却の彼方で、張間さんとか思わず忘れてました。あー、そういうキャラだったっけ。あれほどの情報を一手に入手してるなんて、何気に超がつくほど有能ですね、張間さん。
しかしその真実を聞いても、結局何もしないことを選択する(できる)というのが、誠二くんの壊れっぷりを表しています。いやまああの二人に挟まれて平然としていられる神経の時点で常人ではないですが。
しかし赤林さんがカッコよすぎた。なんだあの告白シーンは。このお話の中では比較的真っ当な人かと思ったら、やっぱり違った方向にぶっ飛んでました。格好良いぜ。
とまあ面白かったんだけど……やっぱり本編の続きが気になるなあ。アニメ化の最中にきっと本が出るに違いない、と期待しておこう。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2010-01-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 641
2009/07/20
デュラララ!!×6
帝人の一挙手一投足に不安が付きまとってなんとも言えない展開でした。崖っぷちを目隠しで歩いているのを、横から見ているような気分。そっち行っちゃ駄目だよと思ってるのに、止める人がいないで間違っていくように見える。
今回の騒動自体は一段落ついたけれど、静雄はダラーズから抜けてしまうし、ドタチンも多分今回の件で見限った部分があるように見える。側にいてあげて欲しい人たちがどんどん離れて行っているようで、不安が更にましていきます。
こんな時にこそ、正臣がいてあげるべきなんだけど……。戻ってくる日はまだ遠そう。そればかりか、更に亀裂を生みそうな気配が……。
決定的に何かが変わってしまった帝人が、一体何をしでかすのか怖いね。
しかしキャラ表欲しいな。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2009-07-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 662
2009/03/19
デュラララ!!×5
一冊まるまるかけてプロローグだったという印象。ロシアから危ない二人組がやってきたり、静ちゃんが幼女に襲われたりしてるけど、大きく物語が動き出したのはラスト付近からという気がする。一巻での印象が強いからか、やっぱり帝人が物語の中心にくると「しっくりくる」んだよなあ。
しかし前の巻から登場してる青葉君。なんだかやればやるほど、小物っぽく見えてくるんだけどなんでだろう(苦笑)。今のところは特にボロだしてるってわけじゃないんだけど……なんか誰と組みあっても負けそうな気がするんだよなあ。帝人を甘く見てると足元すくわれんじゃないかしら。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2009-03-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 599
2009/02/03
バッカーノ! 1931臨時急行編 Another Junk Railroad
1931の舞台裏というか、その後というか、そんなお話。短編集的なつくりなのは、何かの特典小説かなんかをまとめてもの+αという感じだかららしい。
シャーネがあの事件の後、どのようにしてジャグジー・スプロットらと行動を共にするようになったのかが興味深い。なるほど、シャーネの性格からしてみれば、確かにあの列車での事件だけでヒューイ奪還を諦めるとは考えにくいし、安易にジャグジーらを信頼するとも思えませんもんね。ジャグジー側は逆に(周囲はともかくジャグジー本人は)あっさりと受け入れるでしょうけど。それが元で徐々に「身内」としてジャグジー達を認識するようになっていく様が良いね。
一方……というか、クレアに対する感情は振れ幅大きいですね。方向はどうあれ、がつんと強烈な印象を残していたのは間違いなかったんでしょうね。で、その受け方を(今まで受けたことのない感情だっただけに)どうとらえていいかわからなかった、というのがシャーネの心境っぽい。だもんで、クライマックスで反転して好意に繋がるんだろうな。
バッカーノ!1931 臨時急行編―Another Junk Railroad (電撃文庫)
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2009-01-07
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 578
2008/11/20
5656! Knight's Strange Night
久々の越佐大橋シリーズ。というか完結とか書いてなかったっけか? まとめてしまっちゃったよ。
ということで今回は、二匹の「犬」の再び(三度?)の対決や、島でおきたとある事件を軸に、いくつかのエピソードが積み重なっているという、どちらかというと連作短編的なお話でした。そしてラブな話だ。
最初の話に出てくる、会社の不正を告発したにも関わらず追われ島へやってきた男の話が一番面白かったかなあ。徐々に「あれ?」という違和感が出てきて、とある転換点で「なーるほど」となるのが楽しい。いや、酷い話なんですけどね、これ。
しかし八雲とナズナはなんだかんだで良い関係になってきてるなー。殺人鬼と暗殺者がこんなにほのぼのして良いのだろうか。
5656(ゴロゴロ)!―Knights’ Strange Night (電撃文庫)
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2008-11-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 620
2008/08/20
ヴぁんぷ!Ⅳ
とある村の住人が一夜にしてすべて消えてしまった、という謎の事件を巡り「吸血鬼の仕業ではないか」という噂が立った。それについての対応を行うべく、「組織」の面々に召集がかかったが……というような感じで久々のヴぁんぷ。「組織」幹部が一堂に会するということで、個性的な(変な、ともいう)吸血鬼のオンパレードでした。人型してりゃましな方ですなあ。子爵みたいに血を吸わないで生きてられる奴もいるわけで、何をもって「吸血鬼」なのかよくわからなくなりますね。
一方、組織と対立する「血族」は、どうも比較的オーソドックスな吸血鬼の様子。とはいえこの巻って、事件が動くまでえらく長い(組織の幹部紹介で半分くらい費やしているんじゃないだろうか)ので、あんまり血族側の事情は見えないのですが。今後のお話は、組織と血族の間のいざこざに焦点移ってくのかな。
しかし冒頭の事件の顛末の、謎が明かされた瞬間のひっくり返り方はちょっと予想しておらず、かなりびっくりしました。この事件を含め、吸血鬼と人間の様々な関係(たとえばフェレットとミヒャエルとか、ルーディとか)が面白いですね。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2008-08-10
- 出版元 : アスキーメディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 704
2008/03/17
デュラララ!!×4
登場人物の誰一人として全体を把握している人がいないという、いつもの成田節が炸裂。新キャラも多数登場してますます池袋は混とんとしてきた感じがしますねえ。
臨也くんの妹二人が出てきましたが、これまた灰汁の強いキャラクターですね。なんとゆーか強烈。頭おかしいのは間違いない。それに比べるとシズちゃんの弟の方がまともに見えるなあ(いやこいつもこいつで変なはずなんだけど)。
で、今回はその臨也くんが全然事態を把握していないってのが面白い。いつも黒幕的に舞台を操っていた人が、一人今回は蚊帳の外なんだもん。あー、臨也くんが関与してないと平和だ。もっとも平和は仮初で終わりそうですけどね。相変わらず黒いこと考えてそーですよ。さっさとシズちゃんに成敗されればいいと思います(おい)。
今回一番被害を被ってたセルティと新羅ですが、なーんか既に長年の連れ合い的空気を醸し出しています。仲良くやってるようで結構結構。一方、帝人くんの方は未だ友達以上恋人未満っぽいなあ。まあ帝人、杏里どちらの側にも秘密があるのでなかなか難しいのかな。とはいえ、一巻のラストでは徐々に近づく未来が提示されていたんだけどなあ。
さて、今回は顔見世的側面が強かったようなので、次で大きな事件が起こるのではないかと期待しています。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2008-03-10
- 出版元 : メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 641
2008/02/19
バッカーノ! 2002【B side】 Blood Sabbath
もう一つの豪華客船で起きていた事件と、二つの事件の幕引きについて。
こちら側の船には、不死人が四人も乗り込み、さらにはエルマーがかつて崇められていた宗教団体――SAMPLEの末裔や、『仮面職人』のリーダーなんかが加わり、それぞれの思惑で動くからごちゃごちゃとした様相になりました。特にSAMPLEの面々の気持ち悪さは際立っていました。子供の扱いの酷いこと酷いこと。まさか彼女も関係者とは思いませんでしたが……(ラストそんなことになるとは)。
相手が容赦ないこともあってか、久々にアクション分多めだったかなーという気もしますね。エイジングとかシャロンとか、結構アクロバティックな動きを見せていました。不死人が翳むくらい。ナイルなんかはホントは強いっぽいんだけどなー。
後日譚のどんでん返しも不気味で良いですね。「事件はまだ始まったばかり」というところみたい。この黒幕に対する不死人たちのスタンスはどうなるのかな。また、彼と彼の中にある記憶との矛盾点の解明も楽しみ。
バッカーノ!2002「B side」―Blood Sabbath (電撃文庫)
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2007-11
- 出版元 : メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 662
2007/10/18
バッカーノ! 2002【A side】 Bullet Garden
どこかの感想で見たけど、確かにこれは一巻目の「バッカーノ!」に非常に近いものを感じますね。成田さんの作品は群像劇的であり、各自が全体を見通さずに行動した結果、玉突きのようにして連鎖的に色々なことが起こり、最後に見事に収束するのが特徴なわけですが、その中でもこれはまた抜きん出てにてんでんばらばらな事件ですね。舞台裏で何か企む『模倣犯』、何かを狙ってシージャックを敢行する『ビジネスマン』、そのビジネスマンたちを追う『ガンマン』とそれを影から支援する『解体屋』、新婚旅行に来たフィーロ達、そのフィーロ達にささやかな復讐を狙う悪ガキども、『あの』クレアの孫姉弟で映画宣伝のために乗船するクローディアとシャロン、密航する謎の少女……。いやはや全員が全員、本当に全く持って勝手気ままに行動し続けます。
その上、この巻では全く登場しない、もう一つ姉妹船があり、そちらでもなにやらきな臭い事態になっているらしいので……もはやどう収束するのか見当もつかないですねえ。続きが凄く楽しみ。
しかしようやくと新婚旅行と相成った、フィーロとエニスの二人は本当に初々しいですね。中てられそうです。あの無表情だったエニスが、はにかんだ表情で笑ったり、フィーロの言葉一つに照れたりするんですから、その可愛らしさったらないですよ。フィーロは相変わらず晩生過ぎるんですけど、それがまた初々しさを失わないところに繋がるんですよねえ。
初登場のクローディア・シャロンの姉弟も面白いですね。お爺さんの血を濃く受け継ぐクローディア(世界は私の者よ、的なむやみやたらな自信あり)と、お婆さんの血を濃く受け継ぐシャロン(殆ど喋りません)。二人セットで可愛いなあ。プロローグの姉弟の会話が素敵です(「……う、うう。ちょっと可愛いじゃないの。合格よ」とか)。
バッカーノ!2002「A side」―Bullet Garden (電撃文庫)
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2007-10
- 出版元 : メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 578
2007/07/18
バッカーノ! 1705 The Ironic Light Orchestra
面白かったけど、なんかちょっと「いつもの『バッカーノ!』」とテイストが違った気がします。やっぱりアイザックとミリアが居ないからか(違)。
いや本当は何が違って感じたかというと、今回はいつもと違って、「誰一人として全体を見渡しているキャラが存在せず、好き勝手に動いた結果として物語が結ばれる」という構造をしてなかった気がするのですよね(奴は全貌把握してたっぽいしなー)。だから、面白いことは面白いんだけど、しっちゃかめっちゃかな勢いで物語が転がっていくような感覚は薄かったです。
その代わりというか、過去のエピソードということで、「こいつ、将来のあいつだったのか!」というサプライズが幾つか。こういうのはシリーズ重ねた上での楽しさですね。
バッカーノ!1705―The Ironic Light Orchestra (電撃文庫)
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2007-07
- 出版元 : メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 599
2007/04/26
バッカーノ! 1934完結編 Peter Pan In Chains
1934完結編ということで、監獄の中や娑婆で起きた出来事が一つに……あれ、いつもの成田作品ほど「収束」という感がしないなあ。意外と散漫なまま終わった感じがします。事件の焦点がばらけているというか。なんかここまでやっても「事件の始まり」でしかなかったという印象が強いですね。これだと、すっきりとするには1935を待たねばならないのかな。
バッカーノ!1934 完結編―Peter Pan In Chains (電撃文庫)
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2007-04
- 出版元 : メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 725
2007/02/18
世界の中心、針山さん②
独立した短編が三つと、それらを纏め上げる短編一編、という構成の針山さん第二段。今回はホラーっぽい話が多かった印象(まあ最初のタクシーと、ゾンビの話の二つだけど)。
妙に敷居高いというか、まとめの一編では一巻のキャラクターとかもばしばし登場するので、「あれ? これ誰だっけ?」ということにも。それなりに個性的なキャラばかりなのである程度は覚えていられましたが。
成田ワールド最強キャラ、悪の組織の下っ端構成員No.37564というのが登場しますが、実に成田さんらしい悪乗りした強さで笑っちゃいます。戦隊ヒーローの巨大ロボをローキック一発で破壊とか、あほらしいくらいですね。もはや既に人間やめてます(いや改造されてるんだからやめてて当然なのか)。
「THE DON'T OF THE DEAD」なんかは、倫理的道徳的には割と酷い話なんだけど、後味が悪くないところが不思議。そういうところがまた成田さんらしいといえば成田さんらしい。
- 著者 : 成田 良悟
- 発売日 : 2007-02
- 出版元 : メディアワークス
- 評価 :
- 価格 : ¥ 683

切ない恋物語でした。
周囲に無関心だった若き日のヒューイが、二人のお陰で徐々に人間味を持ってくるのが良かった。中盤でのヒューイの告白なんて卒倒ものです。……あのまま終われたらほんとによかったのにね。
もしそのままハッピーエンドに追われていたならば、ヒューイはその後どうなってたのかなと夢想してしまいます。
まあ、黒幕の人が終盤まで姿くらましてるあたりでこの結末は予想されたのだけど。
このことが2000年代まで尾を引いているのだとして、ヒューイの目的は一体どういうところにあるんだろうなあ。
バッカーノ!1710―Crack Flag (電撃文庫)